30代、40代、50代…と年齢を重ねるごとに感じられる心身の変化。疲れやすくなった、痩せにくくなった、新しいことにチャレンジするのが億劫になった、忘れっぽくなった…。年齢のせいと諦めていませんか?年齢を重ねてもいつも元気でパワフル、前向きなあの人は何が違うのでしょうか?
その秘密は、若返りホルモンのDHEAにあるかもしれません。体内の老化度を測る指標の一つともなっているDHEAを知って、“老けない”日々を過ごしましょう!
DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)は、主に副腎皮質から分泌されるホルモンです。体内で男性ホルモンのテストステロンや女性ホルモンのエストロゲンをはじめ、約50種類以上ものホルモンに変化するため、別名「ホルモンの母」とも呼ばれています。
DHEAは7歳頃から血中に分泌され、思春期に急激に増加して25歳頃にピークを迎えます。その後は加齢とともに減少し、75歳頃にはピーク時の約10%にまで減少します。元気な高齢者や長寿の人の体内にはDHEAが多く、血中のDHEAの減少が老化の一因であると考えられています。
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ストレスは、DHEAの分泌をさらに減少させる大きな要因となります。ストレスを受けると、同じ副腎皮質から抗ストレスホルモンのコルチゾールが分泌されます。ストレスを受け続けると、コルチゾールの分泌に追われた副腎が疲労を起こし、DHEAを十分に分泌することができなくなってしまいます。また、コルチゾールを分泌するときには活性酸素が発生し、細胞を酸化させ、副腎にダメージを与えます。DHEAは本来この酸化を防ぐ役割を担っていますが、DHEAの分泌が追いつかなければ、酸化の一途を辿るばかりです。
DHEAが減少すると、様々な不調となって現れます。主なものは更年期障害。女性特有のお悩みではなく男性にも起こるもので、倦怠感やうつ症状などの不定愁訴に悩む方が増えています。また、免疫力の低下、脳機能の低下、高血圧や高コレステロール、糖尿病などの生活習慣病のリスクが高まることなどもDHEAの減少が一因となることがわかっています。
DHEAを維持することが、老化を防ぎ、様々な疾患を予防することにもつながるのです。
普段の食事で、DHEAの分泌を促すことも妨げることもあります。
■DHEAを増やす食事
DHEAの材料となるのは、コレステロールです。ダイエットのためと肉や乳製品などの動物性食品を控えすぎると、コレステロールが不足してしまうので、極端な控えすぎには注意。オメガ3系脂肪酸の多い青魚や亜麻仁油、えごま油などは積極的に摂りましょう。 コレステロールからDHEAが作られる過程では、ビタミンC、ビタミンB群、マグネシウムなどが必要となります。ビタミンC豊富な野菜や果物、ビタミンB群が豊富な玄米や豚肉、マグネシウムが豊富な魚介や海藻、大豆製品などを摂り入れましょう。 また、副腎にダメージを与える活性酸素に対抗するためには、ビタミンCをはじめ、ビタミンA、E、セレニウム、亜鉛などの抗酸化栄養素を。ビタミンAはレバーや緑黄色野菜、ビタミンEはごまやナッツ類、セレニウムや亜鉛は魚介や肉類から摂取することができます。 また、DHEAを含む食品としては、山芋があります。中でも自然薯にはビタミンC、E、亜鉛なども含むため、DHEAを増やすという点では効果的な食材だと考えられます。
■DHEAを減らす食事
反対にDHEAの分泌を妨げてしまうのは、血糖値を急激に上昇させるような食事です。血糖値を下げるホルモンのインスリンは、コルチゾールとも密接に関わっていて、インスリンが盛んに分泌されるとそれに反応してコルチゾールも分泌されます。これが続くことで副腎が疲労を起こし、DHEAの分泌低下につながります。甘いものの摂りすぎや、食べる順番に気をつけて、血糖値が急上昇しないように意識しましょう。また、カフェインやアルコールの摂り過ぎもDHEA分泌を妨げるといわれているので、好きな方は要注意です。
食事以外にも、十分な睡眠や適度な運動によってDHEAの分泌が促進されます。
また、ホルモン分泌は感情との関りも深く、常に前向きな気持ちで過ごすことでも活性化されます。
DHEAを意識して、健康で若々しく、ハツラツとした自分でいつまでも過ごしましょう!
五十洲綾乃(いそすあやの)
管理栄養士
本州最北端にほど近い青森県の小さな村で生まれ育った、生粋の田舎っ子です。東北人らしく濃い味とお酒が好きなので、年齢を重ねるにつれ健康管理にはいっそう気をつけています!おしゃれなBARよりも赤提灯派(笑)調子がいい日はスナックで昭和歌謡を歌ったり…♪