日差しが強く、暑い日が増えてきておりますが、いかがお過ごしでしょうか?
本日は食べた物から体内で作られる場合もありますが、限られた食材にしか含まれていない 「γリノレン酸」についてお話しいたします。
γリノレン酸は、オメガ6系の多価不飽和脂肪酸で私たちの身体にとって必要不可欠な脂質、必須脂肪酸です。
食べ物から摂取する以外にも、体内でリノール酸から合成されます。しかし、リノール酸からγリノレン酸に変換させる酵素の活性が人では高くないことや、「アルコールの過剰摂取」「ホルモンバランスの乱れ」「食生活の乱れ」などの様々な因子によって変換が阻害され不足しがちです。不足すると乾燥が気になったり、バリア機能が低下してしまいます。
γリノレン酸は、つるすべ感を整えたり、食事バランスのサポートにもなりますので、不足せずに摂取したい栄養素です。
ホルモンバランスは、体内のγリノレン酸量の影響を受けるといわれています。
女性の憂うつな時期の不安感やイライラや頭痛などの症状を訴える女性の多くが、γリノレン酸の血中濃度が低いということが示唆されています。
これはγリノレン酸を材料として作られるプロスタグランジンE1が関係しているといわれています。プロスタグランジンE1は、プロスタグランジンE2の働きを抑制することが知られています。プロスタグランジンE2はアラキドン酸から作られ、生理痛などを引き起こすホルモンです。そのため、プロスタグランジンE1がプロスタグランジンE2を抑制することにより、ホルモンの分泌を正常化したり、細胞組織の機能を正常化したりするなどの効果があります。
γリノレン酸は炎症を抑える働きがあります。イギリスやフランスなどの海外では、皮膚の炎症の医薬品として扱われており、アトピー性皮膚炎の治療に用いられています。
これはγリノレン酸によって作られる抗炎症物質であるプロスタグランジンE1が炎症物質であるプロスタグランジンE2のはたらきを抑えるためです。そのため、γリノレン酸が不足すると炎症が起きやすくなることがわかります。
アトピー性皮膚炎やお肌のトラブルが気になる方にはもちろん、関節などの炎症が気になる方にもおすすめです。
また、体外からのバリア力がまだ弱い赤ちゃんにも必要な栄養素です。
γリノレン酸は、体内で変換されて作られるとお話しましたが、赤ちゃんは自分自身の力ではまだ十分に作ることができません。そのため、母乳から摂取する必要があります。その分、お母さんの体内のγリノレン酸が母乳と一緒に体外へ出てしまうため、産後に髪が抜けやすかったり、アレルギー体質に変化してしまったりする方もいます。
血糖値やコレステロール値、血圧が気になる方にもオススメです。
γリノレン酸から変換してできるプロスタグランジンの働きとして、血糖値やコレステロール値、血圧を下げる働きがあると言われております。血糖値やコレステロール値が高くなってしまうと、全身のめぐりが悪くなり、高血圧などの生活習慣病を招く原因となりますので、予防としてオススメです。
月見草種子やカシス種子,ボラージ種子などのごく一部の植物や、母乳に多く含まれており、一般的な食品から摂取することは難しいと言われております。そのため、γリノレン酸が含まれているお茶やサプリメントなどから摂取することもおすすめです。
体内で変換されるならγリノレン酸と同様に必須脂肪酸であるリノール酸を沢山摂取すればいいのでは?と思うかもしれませんが、摂りすぎるとめぐりが悪くなってしまったり、炎症を起こしやすくなると言われております。
全体のバランスを良く摂取することが大切です。
皆さまのお役立ちになりましたでしょうか?
私たちの身体に必要不可欠な脂肪酸であるγリノレン酸。限られた食材に含まれており、摂取が難しいからこそ、健康食品から意識して摂りたい栄養素です。
γリノレン酸を上手に摂り入れ、健康と美肌を一緒に目指しましょう!
伊勢丹立川店
管理栄養士 出口 茉奈(大阪府)
こんにちは。出口です。
年中、美味しい食べ物を食べることをとても楽しみに日々過ごしています。
この季節になると食べたくなるのはカレーとレモンスイーツ!
美味しいお店を友人と共有して楽しんでいます!ぜひ、皆さまのおすすめも教えてください