こんにちは！
管理栄養士の五十洲（いそす）です。

このブログでは、季節のお悩みや最近話題になっていることについて、栄養士の視点で、皆さまに役立つ情報をお届けしております。

9月に入り、一気に涼しくなりましたね。雨も多く、不安定な天候が続きますが、体調を崩さないようにお気をつけください…！

突然ですが、お酒をたくさん飲んだ翌日は、無性にカレーが食べたくなること、ありませんか…？私はよくあります（笑）

これ、お酒をよく飲む方に尋ねると、もちろん賛否両論はありますが、意外と「あるある！」と共感を得られます。なんでだろう…？？と考えた末にたどり着いたのは、、

カレーに含まれるあのスパイスでした。

今日はこの「お酒をたくさん飲んだ翌日、カレーが食べたくなる説」から、スパイスの健康効果に迫っていきたいと思います！

カレーといえば、複数のスパイスを使用しているのが特徴。その代表的なものが、「ターメリック」です。このターメリック、日本では “お酒のおとも” としてのイメージが定着している「ウコン」と同じもの。ウコンには、肝機能を高めてアルコールを分解したり、二日酔いを防止する働きがあります。また、肝臓だけではなく、胃を元気にする健胃作用も持ち合わせており、飲み過ぎ、食べ過ぎで疲れたカラダの回復にはもってこいのスパイスなのです。。

人のカラダは不思議なもので、今欲している栄養素、必要な栄養素を含む食べ物を自然と欲することがあります。疲れたときに酸っぱいものが欲しくなるのも、疲労回復に役立つクエン酸を欲しているからだと考えられています。

お酒を飲んでカレーが食べたくなるのもおそらく、ターメリックの効果を欲しているカラダの自然な反応なのだと思われます。

肝臓や胃を元気にしてくれるターメリックですが、他にもたくさんの効果があることが知られており、古くから漢方や、インドのアーユルヴェーダで用いられてきました。

その効果は

・関節炎の緩和
・血糖値のコントロール
・悪玉コレステロールの抑制
・認知機能の向上
・アレルギーの緩和

…など、様々です。

これほど多様な効果を発揮するのは、強力な抗酸化作用と抗炎症作用のおかげ。そのカギを握るのは、ターメリックの主要成分「クルクミン」です。最近はこのクルクミンの働きに注目が集まり、研究が進んでいます。

クルクミンの研究で特に興味深いのは、アルツハイマー型認知症の原因物質とされるアミロイドβの蓄積抑制に役立つというものです。アミロイドβは、加齢とともに誰しも蓄積が進んでいくものですが、クルクミンがその蓄積を防ぎ、アルツハイマー型認知症の予防に役立つのではないかと期待されています。

また、クルクミンは “天然の痛み止め” ともいわれ、炎症を抑えて痛みを和らげるような働きも期待できます。その効果は、鎮痛剤の成分として知られるイブプロフェンと同じくらいともいわれるほど。

お酒のケアに、生活習慣病の予防に、脳の健康に…。ターメリックは、日々の元気のためにも将来の健康のためにも、嬉しい効果がたくさんのスパイスです。

ちなみに、カレーに含まれるその他の主要スパイスにも、こんな働きが…。

カレーの香りの主役「クミン」には、消化促進、整腸作用、肝機能向上などの効果が、「コリアンダー（パクチー）」には、消化促進、食欲増進、解毒作用、鎮静作用などが、期待できます。

飲み過ぎ、食べ過ぎではなくてもふと「カレーが食べたいなぁ…」と思ったら、胃腸が疲れていたり、体力が落ちているサインかもしれません。そんなときはぜひ、スパイスたっぷりのカレーを食べて元気を取り戻してください

今回は、カレーに含まれるスパイスの効果に着目してみました。他にも「こんな時にこれが食べなくなるのにはワケがあった」というような話題があれば、また紹介してみたいと思います！気になるエピソードがありましたらぜひお知らせください…♪