こんにちは!
管理栄養士の五十洲(いそす)です。
このブログでは、季節のお悩みや最近話題になっていることについて、栄養士の視点で、皆さまに役立つ情報をお届けしております。
スッキリとしない天気が続いていますね。関東地方も間もなく梅雨入りの気配です。この時期、なんとなくだるい、頭が重い、食欲がない…そんな不調はありませんか?また、よく眠れないという方も多いのではないでしょうか? 梅雨の時期は、気温や気圧の変化で自律神経が乱れやすく、疲れやだるさ、また食欲不振や睡眠の質の低下も引き起こします。その結果、免疫力も低下しがち…。夏風邪ならぬ、“梅雨風邪”が流行っているようです。
そこで今回からは、梅雨の時期に免疫力を落とさないために気をつけたいことや、おすすめの栄養素などをご紹介していきたいと思います!今回はまず、あらゆるストレスに対する抵抗力を高めて「カラダ正常化」を助ける“アダプトゲン”についてお話します。
ストレスは免疫力を低下させますが、梅雨は何かとストレスが多い季節です。雨の日は、ジメジメ・ムシムシした気候だけでも不快感を覚えますね。朝、髪型がなかなかキマらなかったり、駅までの道のりでお気に入りの洋服が濡れてしまったり…。そんなちょっとしたストレスが積み重なって、憂うつな気分になることもあるかと思います。
また、梅雨の気候そのものもカラダにとってはストレスです。気温や気圧が変動しやすく、その変化に適応しようとすることで負荷がかかりやすくなります。さらに、湿度が高過ぎると寝苦しさを感じてぐっすり眠れず、眠れないことがまた心理的なストレスにもなります。
梅雨は、あらゆる面でストレスがかかりやすく、免疫力が低下しやすい時期なのです。
様々なストレスに対して抵抗力を高める作用のことを、“アダプトゲン”といいます。ハーブなどの植物が持つ作用のことで、そうした作用を持つハーブはアダプトゲンハーブと呼ばれます。アダプトゲンの由来は、「適応する」という意味の「adapt」と、「生じるもの」という意味の「gen」が合わさったもので、1940年代に命名され、研究されてきました。
定義づけとしては、
・服用者に対して無害である。
・生物学的、化学的、精神的な様々な負の要因に対して、非特異的に身体の抵抗力を高める。
・影響を受けやすい身体の生理機能の正常化作用がある。
とされています。
ある症状に対してだけ特定的に働くのではなく、あらゆるストレスに対する抵抗力を高めることで、上がり過ぎたもの、下がり過ぎたものを正常に戻してくれるようなイメージです。
こうしたアダプトゲン作用のあるハーブをとり入れることは、ストレスへの抵抗力を高め、カラダの機能を正常化し、免疫力を高めることに役立ちます。具体的に、どんなハーブがあるのでしょうか?
よく知られているのは、高麗人参(朝鮮人参・おたね人参)、エゾウコギ(シベリア人参)、マカ、ロディオラロゼアなどです。また、漢方で使われる霊芝(レイシ)や冬虫夏草、枸杞(クコ)などにもアダプトゲン作用があるとされています。
日常の食生活にとり入れることはなかなか難しいものが多いですが、薬膳料理を食べる機会があれば、高麗人参の入った参鶏湯(サムゲタン)がおすすめです!カラダを温め、新陳代謝アップ、免疫力の強化に役立ちます。霊芝や冬虫夏草はお茶になっているものが、クコの実はドライフルーツとして手に入るかと思います。
ご紹介したようなアダプトゲンハーブをとり入れることもおすすめですが、日々の行動でも、アダプトゲン的な作用を期待できることがあります。
特に意識したいのは、「夜」の時間の過ごし方。
まず、入浴はシャワーで済ませず、湯船に浸かることがおすすめです。39~40℃のぬるめのお湯に15分程度ゆっくりと浸かることで、自律神経が整い、アダプトゲン的な効果が期待できます。初めの5分間は首までしっかり、残りの10分間はみぞおち辺りまでの半身浴がより効果的だといわれています。
同様に自律神経を整えてアダプトゲン的な効果をもたらすのが、ヨガやストレッチ。ヨガは初心者が自己流で行うのは難しい感じがしますが、ストレッチなら気軽に取り入れられそうです。深い呼吸をしながらゆっくりと筋肉を伸ばすのがポイント。伸ばした部分が「痛気持ちいい」と感じるくらいまで息を吐きながら30秒ほどかけて伸ばし、緩める、を繰り返します。お風呂上がりにぜひ取り入れてみてください。
最近は、瞑想の効果も注目されていますね。座った状態で目を閉じ、姿勢を正し、リラックスした状態で深く呼吸を整えます。1日1分でも行うことで、脳をリラックスさせ、ストレスを軽減したり、自律神経を整えたりする効果が期待できるといわれています。
“アダプトゲン”の最大の魅力は、カラダの機能を正常化するという点にあると思います。同じようにストレスを受けても、「頑張り過ぎ」状態になるか、「頑張れない」状態になるかは人それぞれ。また同じ個人であってもその時々で状態が変わります。一方的に「持ち上げる」だけでも「鎮める」だけでもなく、どんな状態にあっても正常に戻してくれるのがアダプトゲンの働きです。
こうしたアダプトゲンの働きは、ストレスがかかりやすく免疫力が低下しやすい梅雨の時期の心強い味方です。もちろんこの季節に限ったことではなく、世の中が大きく揺れ動いている今、そしてその先も、心身ともに健やかに過ごしていくために、上手にとり入れていきたいですね。
いかがでしたでしょうか? 次回も、梅雨の時期の免疫対策についてお伝えする予定です。 食欲が落ちて、お肉などを食べられなくなっていませんか? そんな方に役立つ情報をお届けしたいと思います。
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