こんにちは!
管理栄養士の五十洲(いそす)です。
このメールマガジンでは、季節のお悩みや最近話題になっていることについて、栄養士の視点で、皆さまに役立つ情報をお届けしております。
すっかり春の陽気になってきましたね。
先日散歩をしていたら早咲きの桜が綺麗に咲いていて、ちょっとしたお花見気分を味わうことができました♪今年もまだみんなでワイワイとはいきませんが、静かに眺めるだけでも風情を感じられて良いものですよね(^^)
さて、前回・前々回は、天候が変わりやすいこの季節に起こりやすい「気象病」と関連して、自律神経を整える習慣について紹介しました。今回は、この自律神経とも関わりの深い「めまい」や「耳鳴り」に着目してみたいと思います。
めまいは、体の平衡感覚が失われて起こるものです。その原因の多くは「耳」か「脳」にあるといわれています。体の動きを認識して電気信号として情報を伝えるのが耳(内耳)、その情報を受け取って関節や筋肉に指令を送るのが脳の役割です。どちらかに異常が発生すると、情報伝達と指令がうまく行われず、平衡感覚を失ってめまいが引き起こされます。
耳鳴りも同様に「耳」や「脳」に原因がある場合が多く、めまいとセットで起こることが多々あります。
めまい、耳鳴りをともなう疾患の代表的なものに「メニエール病」があります。メニエール病は、激しい回転性の(ぐるぐる回るような)めまいと、難聴、耳鳴り、耳の閉塞感(耳がふさがった感じ)などの症状を繰り返すもの。耳の奥の内耳を満たしている内リンパ液が過剰に増えることで起こる「むくみ」が原因だといわれています。
なぜ内リンパ液が増えるのかはわかっていませんが、働き盛りの30~50代に発症しやすいこと、先進国に暮らす人に多いことなどから、ストレスが影響しているのではないかと考えられています。
同じように耳に原因があるもので、「突発性難聴」があります。前ぶれなく突然片耳(まれに両耳)の聞こえが悪くなる疾患で、内耳で音から変換された電気信号が脳にうまく伝わらなくなることが原因だといわれています。聞こえにくさの程度は人によって異なり、まったく聞こえない場合もあれば、高音だけが聞こえなくなる場合も。耳の詰まった感覚、めまい、耳鳴り、吐き気などをともなうこともあります。
幅広い年齢層で見られますが、特に発症しやすいのは40~50代です。内耳の血行不良やウイルス感染などによって内耳の細胞が傷つくことが原因と考えられていますが、詳しいことはわかっていません。ただ、ストレス、疲労、睡眠不足などがあると起こりやすく、こうした複数の要因が絡み合って起こるのではないかと考えられます。
めまいの中でも、ふわふわと浮いているような感覚を感じる場合は、脳に問題がある場合もあります。ふわふわする感覚と同時に、ろれつがまわらない、手足に力が入りにくい、ものが二重に見える、などの症状があれば、脳梗塞、脳出血などが原因の可能性もあるため、すぐに病院で診てもらいましょう。
そうでなければ、自律神経の乱れや眼精疲労が原因であることが多いです。肩こりや頭痛をともなう場合は、首や肩の周辺が凝り固まって、脳への血流が滞っているのかもしれません。一日中、PCやスマートフォンを見続けることの多い人などに起きやすいと考えられます。
このように見てみると、ストレスや自律神経の乱れが、めまい、耳鳴り、難聴などに関係していることがわかります。現代人は常にストレスにさらされています。自分ではストレスを感じていないと思っていても、実際は身体がストレスを受けていることも。
ここで注目したいのが、「アロスタシス」という概念です。聞いたことはありますか?似たような言葉に「ホメオスタシス」(恒常性)があります。ホメオスタシスは体の状態を一定に保とうとする働きのことで、ストレスを受けて緊張状態になっても元に戻ることができます。しかし、緊張状態から戻らずにそのまま適応してしまうことがあります。これを「アロスタシス」といいます。過度に適応してしまった状態なので、限界を超えると病気になってしまうことも。ストレスからくるめまいや耳鳴りもこれに関係していると考えられます。
日頃からパワフルに過ごしている方ほど、過度な緊張状態に慣れてしまっていることもあるかもしれません。
次回は「アロスタシス」という概念についてもう少し詳しく探り、ストレスコントロースの方法を考えいきたいと思います!
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