こんにちは!
管理栄養士の五十洲(いそす)です。
このメールマガジンでは、季節のお悩みや最近話題になっていることについて、栄養士の視点で、皆さまに役立つ情報をお届けしております。
今日は、前回に引き続き、「気象病」について探っていきます。
天候の変化によって起こる体の不調「気象病」は、自律神経のバランスと深く関わっています。気温や気圧の変化が大きい時期はそれだけでも自律神経が乱れやすくなりますが、日頃からストレスが多く不規則な生活を送っている人はさらに乱れやすくなります。現代人の9割は自律神経が乱れているともいわれます。
気象病を予防するには、日頃から自律神経を整える生活を意識することが大切です。私たちの体は、日中に交感神経が優位になり、夜に副交感神経が優位になるようにできています。その本来のリズムをきちんとつくるため、「朝」「夜」に心がけたい習慣をご紹介します!
朝は交感神経にスイッチを入れるときです。このスイッチがうまく入らないと、午前中に頭がボーっとしたり、やる気が起きなかったり…。活動のスイッチをONにするためには、こんな習慣がオススメです。
1. 起きたらカーテンを開けて朝日を浴びる
これまでにも何度も紹介している方法ですが、朝は太陽の光を浴びることがマストです!目から太陽の光が入ることで体内時計がリセットされ、交感神経が働き始めます。でも、この時期は曇りや雨の日も多いからなぁ…と思っていたところに、嬉しい情報を発見しました。曇りや雨の日でも太陽光は届いてはいるので、体内時計のリセットのためには十分なのだそうです。天気は気にせず、起きたら窓際へ!目覚まし時計を窓際に置いておくのも手です。
2.朝食にはタンパク質を
食事を摂ることで、内臓が一日の始まりを認識します。これも交感神経が動き出すことに役立ちます。朝はトーストとコーヒーだけという人も少なくないと思いますが、ぜひプラスして欲しいのがタンパク質です。卵1個でも、納豆1パックでも。タンパク質は、糖質や脂質に比べて、食事による熱産生の量が格段に多いです。その分、体温が上昇しやすく、交感神経に刺激を与えてくれます。
3.カラダを動かして心拍数を上げる カラダを動かすことで心拍数を上げ、体温を上昇させると交感神経が活発になります。でも、朝からウォーキングやジョギングをするのは簡単なことではないですよね。この場合、ちょっとした家事をするのでもOKです。食器を洗う、ゴミをまとめる、また、トイレ掃除を朝にするのもいいかもしれません。大切なのは心拍数を上げることなので、ゆっくり動くのではなく、テキパキ動くことがポイントです。
4.鏡の前で笑顔を作る 笑いは交感神経を刺激することがわかっています。とはいえ、朝からお腹を抱えて笑うことはあまりないかもしれません。そんな時は、作り笑いでも大丈夫!脳は意外と単純で、口角が上がっていれば「今は楽しいんだ!」と勘違いをしてくれます。表情筋をめいっぱい動かして口角をあげましょう。歯磨きをするとき、口角を上げて磨くのもOKです。
夜は副交感神経にスイッチを切り替えるときです。夜になっても家の外も中も明るく、スマホやPCにかじりつきがちな現代人は、この切り替えがうまく行かない人が多いといわれます。休息のスイッチを入れるには、こんな習慣がオススメです。
1.就寝2時間前にはPC・スマホを手放す勇気を
PCやスマホのブルーライトは交感神経を刺激します。夜になってもこれらを使い続けていると、副交感神経への切り替えが上手くできず、なかなか寝つけなかったり、眠りが浅かったり…。また、PCやスマホを使うことは、ただテレビを見るのに比べて能動的であり、積極的に考えることがさらに交感神経を刺激することにつながるそうです。明日の自分のパフォーマンスアップのためにも、少し早めにPC・スマホを手放す勇気を…!
2.湯船につかる
夜はなるべく湯船につかるのがおすすめです。大事なのはお風呂の温度。42℃以上の熱いお湯は逆に交感神経を刺激してしまいます。38℃から、熱くても40℃程度のお湯に浸かることで副交感神経が優位になります。入浴にはさらに、水圧によって血行を促進したり、浮力によって筋肉を重力から解放して疲れを取るなど、シャワーだけでは得られない効果が。忙しいと面倒に思ってしまいがちですが、そのリターンは大きいです!
3.パジャマに着替える
眠るときは、パジャマに着替えますか?帰宅後は部屋着で過ごし、そのまま眠りにつくという方も多いのではないでしょうか?副交感神経への切り替えを上手く行うには、パジャマに着替えることがオススメです。カラダを睡眠、リラックスモードに切り替えるための儀式のようなもので、これを毎日繰り返すことで、パジャマに着替えるという行為が副交感神経への切り替えのスイッチになります。素材は好みもあるでしょうが、肌にストレスにならないサラッとしたものを。締め付けがなくゆったりとした着心地のいいものを選びましょう。
4.間接照明でリラックスしやすい環境を
自律神経を整えるのに、照明は重要です。白くて明るい照明は、昼間のような状態をつくり、交感神経を刺激します。副交感神経への切り替えをスムーズに行うには、間接照明を取り入れることがオススメ。柔らかい光がリラックスモードをつくり、自然と副交感神経優位に導きます。
また、朝・夜どちらにも使えるのが、アロマの香りを活用すること。朝はやる気を誘うレモングラスやローズマリー、夜はリラックス効果の期待できるラベンダーやカモミールなどがオススメです。
最後に、自律神経を整えるのに役立つ“栄養素”と“食べ方”をご紹介します!
自律神経を整えるには、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂取することが大切。中でもビタミンB群、ビタミンC、カルシウム、マグネシウムなどが自律神経の調節に役立ちます。気をつけたいのは、糖質の摂り過ぎです。血糖値が急上昇すると、血糖値を安定させるためにインスリンが分泌されます。こういったホルモンの分泌も自律神経によってコントロールされているため、血糖値が急上昇すると自律神経も乱れやすくなります。
甘いもの、炭水化物が好きな人は食べる順番だけでも気をつけて…!
食事は汁物、野菜から食べ、主食(ご飯、麺、パン)は最後に口にすることで血糖値の急上昇を防ぐことができます。また、甘いものは空腹時ではなく、食後のデザートとして。これを意識するだけでも、血糖値の急上昇が抑えられます。
いかがでしたでしょうか?
気象病の症状に悩まされないために、自律神経を整える習慣をご紹介しました。できるだけ面倒でないものを選んで紹介したつもりですが、参考になりましたでしょうか?日々の習慣に取り入れてみていただければ嬉しいです。