こんにちは!
管理栄養士の五十洲(いそす)です。
このメールマガジンでは、季節のお悩みや最近話題になっていることについて、栄養士の視点で、皆さまに役立つ情報をお届けしております。
早いもので、3月に入りました!最近は天候の変化が大きいですね。まだまだ寒いと思うと急に春の陽気になったり、かと思えば冬の寒さに逆戻りしたり…まさに三寒四温です。
ところで、三寒四温はもともと中国の言葉で、冬の気候の変化を表す言葉だそうです。日本では2月から3月にかけて同じような変化が起こりやすいため、この時期の気候を表して使われるそうです。
この時期、体調を崩しやすい方はいませんか?
三寒四温が起こるのは、低気圧と高気圧が交互にやってくるため。
早春のこの時期、低気圧と高気圧が交互にやってきて、低気圧が通過し寒気が流れ込んで寒くなった後、今度は高気圧に覆われて暖かくなり、周期的な気温の変化を繰り返すことが多くなるのだそうです。
気温や気圧の変化は、体調にも大きく影響します。
最近は、「気象病」と呼ばれ取り上げられることも増えてきました。
今回からは2回に分けて、この気象病について探ってみたいと思います。
ここ数年、「気象病」という言葉をよく耳にするようになりました。気象病とは、天候の変化によって起こる不調の総称で、頭痛、めまい、疲労感、関節痛、気分の落ち込み、吐き気、喘息など、様々な症状が出るのが特徴です。
気温や気圧が変化しやすい季節の変わり目、梅雨の時期、台風の多い時期などに特に起こりやすいといわれています。
<気象病の代表的な症状>
✅めまい
✅頭痛
✅疲労感
✅吐き気
✅首や肩のコリ
✅関節痛
✅古傷の痛み
他にも手足のしびれ、うつ症状、喘息発作が出やすくなるなどの症状がみられます。
同じように気候の変動を受けても、気象病の症状が出る人と出ない人がいます。どんな人に気象病の症状が起こりやすいのでしょうか?
1. 内耳が敏感な人
気象病の症状が出るのには、「内耳」が関係しているといわれています。耳は「外耳」「中耳」「内耳」から構成されており、内耳は主に、耳で受けた情報を脳や神経に伝える役割をしています。気圧の変化を脳に伝えるのも内耳の役割。内耳が敏感な人はわずかな気圧の変化も感知しやすいと考えられます。もともと乗りもの酔いをしやすい人は、内耳が敏感であると思われます。
2. 自律神経が乱れやすい人
私たちの体には、体の外の環境が変化しても、体の中の環境を保とうとする恒常性(ホメオスタシス)が備わっています。この恒常性を維持しているのが、自律神経。体が活動する時に優位になる「交感神経」と体を休めるときに優位になる「副交感神経」です。気温や気圧が変化すると、自律神経が働いて体内の環境を一定に保とうとします。
しかし、あまりに変化が急激だとそのスピードについていけず、自律神経のバランスが崩れ、様々な不調を引き起こします。季節の変わり目や、環境の変化で体調を崩しやすい人は、自律神経のバランスを崩しやすいと考えられます。
ちなみに、自律神経の働き方にはタイプがあるのをご存知ですか? 同じようにストレスを受けても、イライラ、興奮しやすい人がいる一方で、ぐったりと沈んでしまう人もいます。もともと、交感神経が優位になりやすいタイプ、副交感神経が優位になりやすいタイプがあるのです。
そして、気象病の症状の出方もこのタイプによって異なるようです。
交感神経が優位になりやすいタイプの場合、緊張性頭痛や生理痛、関節痛、古傷が痛むなどの「痛み」が出たり、イライラ、便秘などの症状が出やすくなります。一方、副交感神経が優位になりやすいタイプの場合、偏頭痛、倦怠感、眠気などが出やすくなるといいます。
気象病の症状が出やすい人は、比較的女性に多いといわれます。ホルモンバランスと自律神経が密接に関わっていることから、女性は自律神経のバランスを崩しやすいためだと考えられます。
しかし、男性にも少なくなく、日頃からストレスを抱えている人は自律神経が乱れやすく、気象病になりやすいと考えられます。
できるだけリラックスする時間をつくるなどして、自律神経のバランスを整えることが大切です。
ここまで、気象病の原因や、どんな人に起きやすいかということをご紹介しました。気象病を予防するには、内耳をマッサージしてあげることや、日頃から自律神経を整えるケアをしてあげることが大切だと考えられます。
次回は、その具体的な対策や、意識して摂るとよい栄養素などをご紹介したいと思います。