こんにちは!
管理栄養士の五十洲(いそす)です。
このメールマガジンでは、季節のお悩みや最近話題になっていることについて、栄養士の視点で、皆さまに役立つ情報をお届けしております。
今月は、「免疫」がテーマです。
コロナ禍でしきりに耳にするようになった「サイトカインストーム」という言葉。 前回は、「サイトカイン」「サイトカインストーム」がどんなものなのか?についてお話しました。
今回は、そのサイトカインストームの抑制に役立つ可能性があるといわれている栄養素をご紹介したいと思います。
免疫力アップといえば…!のビタミンCです。
1970年代に、ビタミンCを高濃度で摂取すると風邪の予防につながることを提唱したのが、2度のノーベル賞受賞者であるライナス・ポーリング博士。
このことがきっかけで、ビタミンCと免疫力に対する研究が進みました。
ビタミンCとサイトカインとの関係性としては、「TNF-α」などの炎症性サイトカインのレベルを低下させ、抗炎症性サイトカイン「IL-10」を増加させることが知られています。
ビタミンDはもともと、カルシウムの吸収を助けることから、骨の健康を維持する栄養素として知られていました。
昨今、免疫力との関係性が知られるようになり、インフルエンザの予防や花粉症への効果が期待できるとして注目を集めるようになりました。
ビタミンDは、高齢者において抗炎症性サイトカインの増加と炎症性サイトカインの減少に関連していることが示されています。
亜鉛は細胞の新陳代謝を活発にするミネラルです。多くの酵素の材料になり、生体を維持するための様々な機能に関与する重要な栄養素です。
免疫系において、亜鉛欠乏症は炎症性サイトカインを有意に増加させることがわかっています。また、亜鉛の積極的な摂取がこれを抑制することも示されています。
青魚に豊富なEPA・DHAは、抗炎症作用があることが知られています。炎症反応を収束の方向に導くSPMという物質に変換されて、過剰な炎症反応を抑制します。
こういった栄養素の働きが、サイトカインストームの抑制に役立つのではないかと考えられています。
実際に新型コロナウイルスの重症化リスクを低下させるかどうかは研究段階ではありますが、やはり日頃からの積極的な栄養補給は大切であると思います。
体がもつ本来の機能を引き出すために、栄養素のチカラは偉大です。