こんにちは! 管理栄養士の五十洲(いそす)です。
このメールマガジンでは、季節のお悩みや最近話題になっていることについて、栄養士の視点で、皆さまに役立つ情報をお届けしております。
2021年最初のテーマは「ダイエット」です。
腹八分目が良いとわかっていても、満腹になるまで食べてしまう、 もうお腹がいっぱいなのに、甘いものに手を伸ばしてしまう、、 「また食べ過ぎた…」と後悔することはありませんか?
頭ではわかっていてもついつい食べ過ぎてしまうのは 「セロトニン」が不足しているサインかもしれません。
今回は、理性をコントロールするホルモン「セロトニン」と 食べ過ぎとの関係について探ってみたいと思います!
■セロトニンは、「理性のホルモン」
“ハッピーホルモン” や “幸せホルモン” の名で知られるセロトニンですが、 その重要な役割は、感情のコントロールです。
怒りや悲しみ、喜び、意欲、達成感、寂しさ、絶望、希望など あらゆる感情を制御し平常心を保つときに働きます。
そのため、「理性のホルモン」とも呼ばれます。
感情の起伏が激しい人は、セロトニンを大量に消費するため、 不足しやすい傾向にあると考えられます。
■依存症の原因も、セロトニン不足
セロトニンは、「依存」にも深く関わっています。
例えば、買い物依存など。
脳は買い物という刺激によって快楽ホルモンが 分泌されることを知っています。
普通は、理性が働くことで、今回はこれだけにしておこうなどと コントロールすることができますが、セロトニンが不足していると それができず衝動に任せて買ってしまいます。
これは食べることに対しても同じで、 セロトニンが不足していると、これでやめておこうという コントロールができず、衝動に任せて食べてしまうことにつながります。
ストレスでやけ食い、ドカ食いしてしまう傾向にある人は、 セロトニン不足が原因かもしれません。
セロトニンを十分に分泌させることで、 過剰な食欲を抑えることに役立ちます。
■セロトニン不足のサイン…!?
忙しい時、ストレスが多い時、こんな経験をしたことはありませんか…?
①仕事の優先順位がつかなくなる
実は、優先順位をつけるというのもセロトニンの働きです。
普段ならできるはずの段取りが上手くできないときは、 セロトニンが不足しているサインかもしれません。
②時計の秒針の音がやけに気になって眠れない
セロトニンが不足すると、感覚情報が敏感になります。
他にも、隣の人のイヤホンの音漏れがとても気になるなど、 必要以上に感覚が敏感になることがあります。
③朝家を出た後、鍵を閉めたか気になって不安でたまらなくなる
これは、セロトニンの不足によって、 不安という感情を抑制できていない状態だと考えられます。
女性の場合は、生理前にこのような感覚を感じることがあるかもしれません。
生理前には、セロトニンの分泌量が減少することが関係していると考えられます。
■簡単にできる!セロトニンUP法
セロトニンの分泌を促す方法として、
・朝起きたら太陽の光を浴びること
・ウォーキングやジョギングなどのリズム運動をすること
などが知られています。
でも、家で過ごす時間が増えた今は、 太陽を光を浴びることも自然と少なくなりますし、 運動だって、なかなかできない…!
という声も多いかと思います。
そこで、これならズボラな私でもできるかも…!と感じた 手軽なセロトニンUP法をご紹介します。
1. 姿勢を良くする
猫背になると気持ちが沈みがちになり、 逆に、ピンと姿勢を正すと前向きな気持ちになりませんか?
これは単なる気持ちの問題ではなく、セロトニンと関係しています。
重力に負けないように姿勢を保つ、背中、お尻、お腹、太もも などの筋肉に力を入れることでセロトニン分泌が促進される ことがわかっています。
2. ルーティンを大切にする
起きたらまず歯を磨き、顔を洗い…というような 決まった行動を取ることでセロトニンが活性化します。
これは、ウォーキングやジョギングといったリズム運動と 同じ意味があると考えられています。
3. 抱き枕を抱える
ペットがお腹を触らせるのは心を許している証拠だといわれます。
これは人でも同じで、体の前面は特別な場所で、 ストレスを軽減させる場所でもあるのだそうです。
抱き枕を抱えると安心した気持ちになるのは、 セロトニンが分泌されているからなのだそうです。
どれも少し意外な方法ですが、 これなら手軽に取り入れられそうです!
■セロトニンUPにおすすめの食品
最後に、セロトニンUPにおすすめの食品をご紹介します。
今までもご紹介したことがありますが、 セロトニンは、アミノ酸のトリプトファンからつくられます。
よって、トリプトファンが豊富な食品を摂取することが大切です。
肉、魚、卵、大豆などの良質のタンパク源から トリプトファンを摂取することができます。
普通に食事をしていればこういったタンパク源は 比較的きちんと摂取することができますが、 ビタミンB6などのビタミンは不足しがちです。
特にストレス下でビタミンB群は消費されるため、 意識してとり入れることが大切です。
以前にもご紹介したことがありますが、 バナナは、トリプトファンとビタミンB6をどちらも含むので セロトニンUPにはおすすめしたい食材です!
なかなか食事だけでは摂りにくいビタミンでもあるため、 サプリメントを活用することもおすすめです。
いかがでしたでしょうか?
ホルモンを味方につけて、 ダイエットに役立てていただければと思います。
次回は少し違った方向から ダイエットにアプローチしてみたいと思います!
別名「ハッピーハーブ」と呼ばれるセントジョーンズワートをカプセルに。
忙しい毎日を穏やかに過ごしたい方の心強い味方です。